「湯川秀樹博士と大阪大学  ノーベル賞はかくして生まれた」

本書は

 本書は2年前私が京都大学基礎物理学研究所湯川記念館史料室で閲覧させていただき、大阪大学湯川記念室ホームページで公開した湯川博士の大阪帝国大学時代の100篇近くの史料や昨年大阪大学で見つかった学位(博士)申請書類や審査記録などの史料を中心に、当時の凄まじい、純粋な湯川博士の研究生活を蘇らせようとするものです。
 京都大学での史料の閲覧は驚きに溢れた閲覧でした。生々しい、純粋な湯川博士の研究生活が蘇る、試行錯誤の格闘、使命感、さらに随所にほとばしる湯川博士の美的感覚。こんな素晴らしい人、研究者が大阪大学で躍動していた。そのことを学生、教職員のみならず、一般市民の方々にも是非知ってもらいたいと願っております。
 一般の方が断片的に読んでもわかるよう書いたつもりです。見るだけでも面白いと思います。

目次

第1部 京大から阪大講師に (26歳、1933年)
第1章 いざ大阪へ
第2章 かくして研究は始まった
第3章 友は打ち明ける

第2部 中間子論から3年半、博士号取得 (31歳、1938年)
第4章 ガリ版刷りのプログラム
第5章 語ろう、そして前へ
第6章 時はきたり、博士号取得

第3部 いかに論文を練り上げるか (26-32歳、大阪帝国大学時代)
第7章 鋭気漂う計算ノート
第8章 論文を練り上げる
第9章 共同研究者の下書きは比類なきレビュー
第10章 解説は研究の源なり

第4部 日本の「博士」に   ノーベル賞受賞 (42歳、1949年)
第11章 ノーベル賞受賞
第12章 海を渡り湯川黒板が大阪大学へ
第13章 回想
第14章 湯川記念室、総合学術博物館

手にとって見るには、たとえば

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あるいは書店で
あるいは図書館で

書評

科学新聞 2021.5.28