大学院志望者へのメッセージ(兼村研究室が目指すもの)
素粒子論は我々の宇宙を構成する最小単位を理論的に探求する学問です。20世紀後半に確立したビッグバン宇宙は素粒子論と宇宙論を融合しました。宇宙の成り立ちを理解することは、万物の根源である素粒子を探求しその振る舞いを理解することで達成されます。森羅万象を支配する美しい数式にたどり着くこと。素粒子論にはロマンがあり、エキサイティングで躍動的な研究生活が可能です。兼村研究室では、素粒子論を志望する大学院生が青春をかけてこの素晴らしい学問に挑戦することを、全力でサポートします。

当然ながら研究にはいくつかの厳しい側面もあります。もしあなたが素粒子論研究室で研究をやってみたいと考えておられるなら、まず以下の3点を確認してみてください。
- 知の探求に対する純粋な興味と憧れはある?
- 何か新しいことをやってやろうという気概はある?
- 決めたことを粘り強くやり抜くことができる?
学力は重要ですが研究のアイテムの一つであり二の次です。上の3点が揃っていれば、なんとでもなります。(素粒子論研究室に院試合格できる程度の基礎学力は必要です。)
さらに、物理学者としてアカデミックな仕事に就きたい人は、大学院在学中に
- 既存の知識をまずは疑う力
- 他人の意見を受け入れる素直さ(すぐ上の項目とは矛盾しません)
- 慎重さと繊細さ
- 楽観的な精神、鈍感力(これもすぐ上の項目と矛盾しません)
- 大局的なものの見方、判断力
を身につけていけば、どこかで躓くリスクを下げられます。最後に技術的な側面ですが、アカデミックな研究者(大学教員)にせよ社会人にせよ、
- ディスカッションの力
- プレゼンテーションの力
- 語学の力(特に日本語と英語)
- 一般常識
を磨く必要があります。他に学振の申請書類等を書く技術も鍛えねばなりません。
研究室に在学中、これらが徹底的に鍛えられます。博士号を取得する頃には、十分な研究能力と実績に加え、これらの能力(総合的な人間力)を身につけて巣立っていくのです。