素粒子理論2(大野木)グループ
スタッフ
大野木 哲也(教授)、 田中 実 (助教)、 深谷 英則(助教)、
高杉英一(招へい教授)、 細谷裕(招へい教授)、 東島清(招へい研究員)
研究分野
素粒子物理学、対称性とダイナミックス、格子ゲージ理論
研究目的
ゲージ理論にもとづいた素粒子の基礎理論を研究する。標準理論で説明できない現象や, 現象の背後に隠されたダイナミックスや対称性の破れに着目し、新しい時代の素粒子の基礎理論の確立を目指す。
研究テーマ
1. 格子ゲージ理論とその応用
2. フレーバー構造と CP 対称性の破れ
研究内容
1.格子ゲージ理論とその応用
格子ゲージ理論は離散化された格子上で場の理論を定義する手法である。これをQCDに適用し、クォーク閉じ込めやカイラル対称性の自発的破れを第一原理計算により導くことができる。特に近年発見されたカイラル対称性を厳密に保つフェルミオン作用を用いて、素粒子のフレーバー構造の研究やQCDの有限温度相転移などの現象の予言をめざす。
格子ゲージ理論で開発された非摂動繰り込みやGradient Flowなどの手法を用いて、場の理論の繰り込み群やカイラルゲージ理論の定式化など新しい場の理論に対する理論的研究も行っている。
また、近年はグラフェンやトポロジカル絶縁体など物質中のディラックフェルミオンと格子ゲージ理論における格子上のフェルミオン理論的類似性が発見された。それを出発点に素粒子•物性分野間の境界領域の開拓を行っている。
2. フレーバー構造と CP 対称性の破れ
フレーバー(世代,ファミリーともいう)構造は、素粒子物理の大きな謎であり、フレーバー構造に伴うCPの破れは、宇宙の物質生成の鍵でもある。クォークのフレーバー構造とその起源について、スーパーBファクトリーの物理を中心として研究を行っている。また、レプトンのフレーバー構造に迫るために、高度なレーザー技術を用いた原子物理によるニュートリノの性質の解明を目指し、実験家と協力して研究を推進している。
研究協力
素粒子理論1(兼村)、素粒子理論3(西岡)グループとは共同で研究活動を行っている。 毎週、セミナーを開催、他大学や研究所の理論グループとも積極的な交流を行う。