格子ゲージ理論のトポロジーと深い関係が示唆される、
「Karoubiの定式化によるK理論」
について勉強会のご案内です。
物理の研究者を対象として、2名の数学者の方に講義をお願いしました。
みなさまのご参加を歓迎します。
日時: 2019年10月28日(月)
14:30-15:30, 15:45-16:45, 17:00-18:00
および 29日(火)
9:00-10:00, 10:15-11:15, 11:30-12:30,
13:30-14:30, 17:00-18:00 (free discussion)
場所: 大阪大学理学部H棟701号室
地図はこちらを参照 https://www.sci.osaka-u.ac.jp/ja/access/campusmap/
講義1「K理論とClifford代数」
講師:松尾信一郎氏(名大多元)
講義要旨:K理論とは,ベクトル束を使って幾何学的に定義されるコホモロジー理論であり,
D-ブレーンや位相的絶縁体の分類において物理でも使われた.
この講演では,K理論の使い方ではなく,K理論の構成そのものを物理学者向けに話したい.
特に,普通によく見られるAtiyah-Hirzebruch流の方法ではなく,
KaroubiによるClifford代数の対称性を重視した方法を説明したい.
講義2「K理論の表示と有限次元性」
講師:古田幹雄氏(東大数理)
講演要旨:オーバーラップフェルミオンによる格子指数定理の定式化は、K群の要素の
有限次元の自由度を用いた表示を背景とすると考えられる。私の解説では、
K群の表示方法の2つの系列として、無限次元Hilbert空間が必要であるものと、
有限次元Hilbert空間のみで十分であるものとに対し、両者の関係と、
性格の対比に焦点をあてたい。Karoubiの方法は、後者である。
*若干の旅費補助ができる可能性があります。深谷英則(阪大)<hfukaya@het.phys.sci.osaka-u.ac.jp>までお問い合わせください。
*28日の夜に懇親会を予定しております。
*参加費無料(ただし参加人数が多い場合は茶菓子代を募るかもしれません。)
本勉強会企画の経緯説明:
阪大の深谷、大野木、山口が講師の古田氏、松尾氏、
京大数研の山下真由子氏と指数定理に関する共同研究を進めているのですが、
格子ゲージ理論における指数定理の理解について物理側が説明したところ、
古田氏により「数学的にも非常に興味深い。しかもオーバーラップフェルミオンの指数の
定式化はKaroubiによるK理論の定式化とそっくりである」
との指摘がありました。時空が離散化され一見トポロジカルな情報を失うように見える
格子ゲージ理論ですが、ひょっとしたらきちんとした数学で幾何学を展開できるかもしれません。
今回はその第一歩として、KaroubiのK理論、およびオーバーラップフェルミオンによる指数
との類似について理解を深めるため、この勉強会を企画しました。
格子ゲージ理論に興味のある方もそうでない方も歓迎します。